認知症による資産凍結のリスクから解放へ

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認知度わずか5%の「家族信託」が示す新しい対策

アディーレ法律事務所(東京都豊島区、代表弁護士・鈴木淳巳、以下「アディーレ」)は、この度「相続・財産管理に関する不安と家族信託の認知度」に関するアンケート調査を実施しました。超高齢社会に突入し、相続トラブルや認知症による資産凍結のリスクが身近な問題となる中、多くの方がこれらの課題を認識しつつも、対策に踏み出せないでいる実態が明らかになりました。特に、有効な対策の一つである「家族信託」は、認知度がわずか5%と極めて低いことが判明しました。

アディーレは、法律知識が不足している一般の方々が、親の認知症対策として「成年後見制度」しか選択肢がないと考えがちな現状を変えるべく、認知症対策の新たな選択肢、「家族信託」の普及を目指しています。これは、アディーレのビジョンである「正しい情報を知ったうえで、何もせずにいる多くの方々に対し、メディアを通じて情報を与えることで知ってもらい、行動を起こさせること」を体現する取り組みです。

今回のアンケート調査で施行から15年以上が経過しても、家族信託という制度がまだ十分に認知されていないことが分かりました。この状況を踏まえ、家族が集まり相続対策などを話し合う機会が多いお盆を過ごした後の9月初旬に合わせ、国民に広く知らせ、浸透させたいと考えています。


2024年10月現在、日本の総人口は1億2,380万人、65歳以上の人口は、3,624万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)は29.3%となった。65歳以上人口を男女別に見ると、男性は1,572万人、女性は2,053万人で、男性対女性の比は約3対4となっています。(内閣府「令和7年版高齢社会白書」)。さらに、厚生労働省「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」の推計によれば、日本の認知症高齢者の数は、2025年には約 700 万人、65 歳以上の高齢者の約5人に1人に達することが見込まれています。

高齢化率:内閣府「令和7年版高齢社会白書」
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2025/zenbun/pdf/1s1s_01.pdf

認知症患者数予測:厚生労働省「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(概要)」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/kaitei_orangeplan_gaiyou.pdf

このように、相続対策よりも前に「認知症対策」が生活設計の中で不可欠となりつつあり、認知症対策は「相続対策と並ぶ、またはそれ以上に重要な新しいライフスタイルの課題」であるといえます。しかし、多くの多くの方は「成年後見制度」以外にも選択肢があることを知りません。施行から15年以上が経過しているにもかかわらず十分に浸透していない「家族信託」という有効な手段を、広く社会に提示することが不可欠です。

■アンケート調査概要

この調査は、相続や財産管理の不安と、その有力な解決策の一つである「家族信託」の認知度・ニーズを測るために実施されました。将来への漠然とした不安を抱える人々に対し、有効な手段がほとんど知られていないという、市場に存在する大きなギャップを明らかにすることが狙いです。これにより、潜在的なニーズの高さと、情報提供の重要性を訴求します。

調査期間:2025年7月1日~2025年7月31日

調査対象者(アンケート配信対象者):上記期間でアディーレ法律事務所にて債務整理、家事事件、遺言・相続、交通事故、労働問題、B型肝炎訴訟、アスベスト被害に関する法律相談を受けた方の内、40歳以上の方
(SMSでの連絡を希望されない方、携帯番号が不明な方は除外)

調査方法:上記対象者へSMSでアンケートURLを配信

有効回答数 :218件

•調査主体:アディーレ法律事務所

■アンケート結果

「不安なし」が4割に迫るが、無対策層は半数以上

生前の相続対策・財産管理に関して「特に不安はない」と回答した人が39%と最多でした。しかし、回答者の5割以上が「対策を検討・実行していない」と回答しており、リスクを認識しながらも行動に移せていない現状が明らかになりました。

対策を阻む壁は「何から始めていいか分からない」

対策が進まない理由として最も多かったのは、「何から始めれば良いか分からない」(28%)。続いて「自分に合った最適な対策が分からない」(23%)、「手続きが複雑そうで面倒」(22%)と続き、情報不足と制度の複雑さが行動をためらわせる大きな要因となっていることが分かりました。

「家族信託」の認知度はわずか5%、潜在的ニーズとのギャップが課題

遺言書や生前贈与の認知度が約8割に達する一方、「家族信託」について「内容まで理解している」と回答した人はわずか5%にとどまりました。しかし、「もし活用できれば興味がある」と回答した人からは、「相続争いの予防」(41%)や「認知症への対策」(40%)といった具体的なメリットに関心を示す声が多数寄せられ、潜在的なニーズの高さが伺えます。

今回の調査結果から、多くの人が将来的なリスクを認識しながらも、「何から手をつけていいか分からない」という漠然とした不安から、対策を先延ばしにしている現状が浮き彫りになりました。また、家族信託のような有効な制度も、その認知度の低さや「複雑そう」「富裕層向け」といったネガティブなイメージが、広く浸透する上での大きな壁となっています。

私たちは、「何をすべきか分からないから動けない」と悩むすべての方を、その不安から解放することを最優先に考えています。専門家が分かりやすく道筋を示すことで、皆さまが安心して最初の一歩を踏み出せるようサポートします。今後も、相続や認知症対策の重要性を丁寧に伝え、複雑だと思われがちな家族信託制度のメリットや活用事例を積極的に展開し、「何もしないリスク」を解消するための情報を社会に発信してまいります。

<家族信託 サービスサイト>
https://www.adire-souzoku.jp/special/family_trust/