交通事故で打撲した時の慰謝料の計算方法・金額の相場について解説

「交通事故で打撲を負った。慰謝料は請求できるのか?」

そんな悩みはありませんか。
打撲程度で慰謝料は請求できないのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、実は、交通事故にあって通院治療が必要な打撲を負った場合には「入通院慰謝料(傷害慰謝料)」を、打撲により神経が損傷して後遺障害等級認定を受けた場合には「後遺障害慰謝料」を請求できます。

今回の記事では、

  • 交通事故における「慰謝料」
  • 打撲を負った時に請求できる可能性のある「慰謝料」
  • 交通事故にあった時の注意点
  • 弁護士を依頼するメリット

などについてご説明します。

交通事故の『慰謝料』とは

交通事故の被害にあってけがをした場合に、請求できる可能性のある『慰謝料』は次のとおりです。

慰謝料について注意が必要なのは、慰謝料を算出する時の、自賠責保険の基準と任意保険会社の基準と弁護士の基準がそれぞれ異なるということです。

通常は、自賠責の基準が一番低く弁護士の基準が一番高くなります(※ただし、自賠責保険金額は交通事故の70%未満の過失については減額対象にしませんので、ご自身の過失割合が大きい場合(加害者側になってしまった場合など)には、自賠責の基準がもっとも高額となることもあります)。
任意保険会社の基準は、自賠責の基準よりは高いですが、弁護士の基準には及びません。

打撲と「入通院慰謝料(傷害慰謝料)」について

打撲とは外部からの衝撃によって、身体の内側の軟部組織が損傷することです。
日常生活で身体の一部をぶつけて青あざができたという程度では、通常は病院を受診したりはしないでしょう。

他方、交通事故により、身体の一部分又は全身を強く打ち付けたという場合には、神経などが損傷している可能性がありますから、必ず病院を受診することをお勧めします。

まずは「入通院慰謝料(傷害慰謝料)」の計算方法について、自賠責の基準と弁護士の基準をご説明します。
自賠責の基準では、次の1、2のうち少ない金額のほうが採用されます(2020年4月1日以降に発生した事故の場合)。

【自賠責の基準】

(※1ヶ月は30日として計算します。)

他方、弁護士の基準では、けがの内容が打撲だけで、他に目立ったけががないような場合には、下記の表により入通院慰謝料(傷害慰謝料)を計算します(※あくまでも「基準額」であり,この金額が必ずしも裁判で認められるとは限りません)。

(むち打ち症で他覚症状がない場合)          (単位:万円)

任意保険会社の基準は、各保険会社によって異なりますし、公表されていませんが、一般的に、ご自身で示談交渉をされる時は、自賠責の基準に近い金額を提示されることも多いようです。

具体的な入通院慰謝料(傷害慰謝料)はいくら?

具体的に、入通院慰謝料(傷害慰謝料)につき、基準上はいくらになるのか見ていきましょう。
次のケースのような通院期間で認められる基準上の慰謝料は、表のとおりです。

ケース1【通院期間10日・実通院日数5日】

入通院慰謝料(傷害慰謝料)
自賠責の基準4万3000円
弁護士の基準6万3333円

ケース2【通院期間45日・実通院日数18日】

入通院慰謝料(傷害慰謝料)
自賠責の基準15万4800円
弁護士の基準27万5000円

ケース3【通院期間3ヶ月・実通院日数30日】

入通院慰謝料(傷害慰謝料)
自賠責の基準25万8000円
弁護士の基準53万円

打撲と「後遺障害慰謝料」について

軽傷の打撲について、後遺障害等級認定を受けることはほとんどありません。
他方、交通事故により身体を車体などに強打した場合には神経を損傷し、一部に麻痺などの後遺症が残る場合があります(例えば、顔面を強打した場合など、顔面神経麻痺などの後遺症が残る場合があります)。

このような場合、後遺障害等級認定を受けると後遺障害慰謝料を請求できます。

神経が損傷した場合に該当する後遺障害等級は、次のとおりです。

等級後遺障害
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号局部に神経症状を残すもの

後遺障害等級12級と14級の後遺障害慰謝料について、自賠責の基準と弁護士の基準の金額はそれぞれ次のとおりです。

(※2020年4月1日以降に発生した事故の場合)
任意保険会社の基準は、各社によって異なりますが、通常は自賠責基準よりは高いですが、弁護士の基準には及びません。

交通事故で打撲を負った場合の注意点について

交通事故で打撲を負った場合の注意点は、主に次のとおりです。

(1)事故後はすぐに警察に連絡すること

車を運転中に交通事故にあった場合、(被害者の立場であっても)警察に連絡をして事故が起こったことを報告しなければいけません。
警察への連絡をしないと、後々道路交通法上の報告義務違反を問われるおそれがあります。

事故直後にけがをしたという自覚症状がない場合、交通事故は「物損事故」として扱われます。
ですが、交通事故直後は自覚症状がなくても、後になってしびれや痛みを感じてけがをしていたことが発覚するというケースは少なくありません。
事故が警察によって「物損事故」として扱われている場合、後から加害者と損害賠償について示談をする時に慰謝料の請求が認められない可能性があります。

ですから、交通事故によりけがをしていたことが判明した場合、すぐに病院を受診して診断書を作成してもらった上、警察に連絡をして「物損事故」から人身事故への変更を依頼することに注意が必要です。

(2)事故後はすぐに病院を受診すること

今ご説明したとおり、交通事故にあった直後は特に身体に不調はないと思っていても、しばらくしてからしびれや痛みを感じることは多いです。
事故直後に自覚症状がなくてもけがをしている可能性があれば病院を受診し、必要な検査を受けましょう。

また、事故直後はやむを得ず受診ができなかったとしても、痛みなどを感じた時点で直ちに受診することをお勧めします。
事故から受診まで時間が空いてしまった場合、のちのち加害者(とその保険会社)から事故とけがとの因果関係(けがが事故を原因として生じたのかということ)を争われる可能性があります。

(3)「完治(又は症状固定時)まで通院を継続すること

先ほどご説明したとおり、入通院慰謝料(傷害慰謝料)は通院期間によって金額が変わります。
自己判断で通院を中止した場合には、基本的にはその時点までの通院慰謝料しか認められないことに注意が必要です。
また、後遺症が残ってしまった場合には後遺障害等級認定を受ける必要がありますが、医師の指示に従って通院を継続していないと、医師から後遺障害診断書の記載を断られることもあります。

ただし、必要のない通院を続けた場合には、過剰通院としてその分の治療費用などが認められない可能性があります。
交通事故によってけがをした場合、医師の指示に従って、必要な期間適切な治療を受けましょう。

(4)弁護士に相談する

交通事故により負ったけがが打撲のみという場合、加害者の保険会社から慰謝料の支払を否定されたり、かなり低額な慰謝料の提示しかないというケースも多いです。
また、先ほどご説明したとおり、慰謝料については、自賠責の基準・任意保険会社の基準・弁護士の基準がそれぞれ異なっており、任意保険会社の提示する金額は、通常弁護士の基準には及びません。

保険会社から示談金の提示があるという場合には、もしも弁護士に依頼した場合にはどの程度の金額になるのか弁護士に相談されることをお勧めします。
さらに、示談交渉を弁護士に依頼した場合には、弁護士は被害者が受け取れる賠償額が一番多くなるように通常(被害者側の過失が大きくない場合)は、弁護士の基準をベースに交渉します。

その結果、弁護士の基準に近い金額で示談できることもよくあります。
他方、弁護士に依頼せずご自身で交渉しても、なかなか弁護士の基準では示談できないことが多いです。
保険会社の提示する金額が低額だという場合には、弁護士に依頼することで、もらえる賠償額が増額する可能性があります。

【まとめ】交通事故によって通院治療が必要な打撲を負った時は「傷害慰謝料」を、後遺障害等級認定を受けた時は「後遺障害慰謝料」を請求できる

今回の記事のまとめは、次のとおりです。

キャッシングを、2010年6月17日以前に始めた
•交通事故の被害にあった時、被害者は加害者に対して「慰謝料」を請求できる。
•「慰謝料」についての基準は、自賠責の基準・任意保険会社の基準・弁護士の基準がそれぞれ異なっており、通常(被害者の過失が大きくない場合)は自賠責の基準が一番低額で弁護士の基準が一番高額となる。
•交通事故にあい、打撲を負った場合には、次の注意点がある。
 o事故後、すぐに警察に連絡をする
 o事故後、すぐに病院を受診する
 o事故直後に自覚症状がなく物損事故と扱われた場合には、けがをしていることが判明した時点ですぐに病院を受診して診断書をもらい、警察に人身事故に変更してもらうよう依頼する
 o完治(又は症状固定時)まで通院を継続する
 o弁護士に相談する
•交通事故の示談交渉を弁護士に依頼すると、最終的に受領できる金員が増額する可能性がある。

交通事故の被害にあって賠償金請求のことでお悩みの場合は、アディーレ法律事務所にご相談ください。

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この記事の監修弁護士
中西 博亮
弁護士 中西 博亮

弁護士は敷居が高く,相談するのは気後れすると感じられている方も多いのではないでしょうか。私もそのようなイメージを抱いていました。しかし,そのようなことはありません。弁護士は皆,困った方々の手助けをしたいと考えております。弁護士に相談することが紛争解決のための第一歩です。ぜひ気軽に弁護士に相談してみてください。私も弁護士として皆さまのお悩みの解決のために全力を尽くします。

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